腹部の背中側に、3対のこぶがあるクモです。
オスとメスは、頭から胸が暗い赤茶色で、脚に濃い輪模様があります。
Zephyrarchaea mainaeは、体長がおよそ三ミリの小さなクモです。二〇一二年に調べられたおとなでは、オスが二・八二〜三・四四ミリ、メスが二・七七〜三・八二ミリでした。オスのあごの前面には、毛の束に加えて、くしのように並ぶ毛があります。
この小さなクモのオスから、体の中に隠れた二股の通り道が見つかりました。二〇二一年の研究は、西オーストラリア州で採られた保存標本のオス一匹を対象に、口元にある触肢という付属肢の内部を、細かなエックス線画像から立体的に調べました。触肢は、オスが精子を渡すために使う器官です。
画像には、複雑に曲がった精子の通り道が、内部で二つに分かれる様子が写っていました。枝分かれした先は、それぞれ別の細長い管を通り、別々の出口を持つ部分へつながっていました。本種では、二つ目の出口を持つ部分は比較的小さく、一部が隠れています。外からの形の観察に内部の立体画像が加わり、一つの付属肢に二つの通り道がある構造が明らかになったのです。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一二年の本種の研究は、火災、沿岸の植物を弱らせる病気、開発による植生の消失、気候変動を脅威として挙げています。西オーストラリア州の生物多様性・保全・観光施設局が二〇二五年十二月に公表した南海岸地域の保全計画では、本種を含む五種のクモの生息地を、火災後に二年ごとに調べ、再び姿を現すか確かめることが提案されています。小さなクモの生息と、周囲の植生の変化を追うことが保全の課題になっています。