北大西洋と北極海の冷たい海にすむアザラシです。繁殖や毛の生え替わりの時期に、流氷上へ集まります。
おとなは淡い灰色で、顔と背中に黒い模様があります。幼い子の白い毛は、成長の途中で生え替わります。
カナダ東部の北西大西洋にすむタテゴトアザラシでは、約70年分の子の生産数、繁殖率、年齢構成、漁獲数、環境条件を合わせた統合個体群モデルで、死亡要因の移り変わりが調べられました。モデルでは死亡の原因を複数に分け、1952〜2019年の記録から個体数の動きを推定しました。1951〜1982年は、生まれた年の子と成獣の漁獲が個体数変動の主な要因でした。
1983年以降は漁獲の相対的な影響が下がり、自然死亡の影響が強まり、とくに生後1年以内の子で大きくなりました。2000年以降は、海氷の広がりの異常に関連する子の死亡が、個体数の動きを左右する強い要因の一つになっています。気候モデルが見込む海水温の上昇と海氷の減少を踏まえ、著者らは環境による子の死亡が高い水準で続くと予測しました。この研究は北西大西洋の集団を対象に、個体数を左右する主な要因が時代とともに変わった経過を示しています。
IUCNレッドリスト · 準絶滅危惧(NT) · 世界
IUCNレッドリストの2025年更新で、タテゴトアザラシは低懸念(LC)から準絶滅危惧(NT)へ移りました。IUCNは、温暖化による海氷の減少を北極のアザラシの主な脅威に挙げ、海氷が繁殖や子育て、換毛、休息、餌場への移動に使われると説明しています。船舶、騒音、石油・鉱物資源の開発、狩猟、漁業の混獲も圧力として挙げています。