本州・四国・九州などの森にすむサルです。短い尾と赤みのある顔を持ち、寒い地域では厚い毛で冬を過ごします。
顔と尻は赤みを帯び、体の毛は茶色や灰色です。尾は短く、ずんぐりしています。
上高地のニホンザルは、冬の流れの中で魚を捕まえます。石をひっくり返して探し、浅い水の中を追い、両手や口を使ってつかまえます。川の石につく水生昆虫も、指で取って食べています。
二〇二二年の冬、長野県の上高地で、研究者が三つの群れを追い、川沿いの行動を撮影しました。さらに一二台の自動撮影カメラを置いて調べると、直接観察で六回、カメラで八回、魚を捕まえる姿が確認されました。別に魚らしいものを捕まえた映像もありましたが、魚と確かめられた記録とは分けて数えられています。
捕まえ方にも違いがありました。浅瀬で追った魚が石の隙間へ逃げ込むと、両手で押さえ、口でくわえる姿が見られました。湧き水の小さな流れでは、二本足で立って魚を探し、両手でつかんでから口でかむ姿も撮影されています。水面で魚が跳ねる音に反応しても、捕まえられないことがありました。冬の川は、果実や葉とは違う食べ物を得る場所にもなっています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
上高地では、人に慣れたサルが歩道や施設の近くに現れ、人との接触が保全と安全の課題になっています。環境省は、餌付けや生ごみによって野生動物の暮らしが乱されることを防ぐため、調査や利用者への呼びかけ、地元事業者への説明を行う取り組みを紹介しています。地域の関係者がサルの監視に参加し、歩道や施設の近くから追い払う対応も含まれます。サルが自然の食べ物で暮らせる環境と、人の食べ物に近づかせない管理を両立させるための、上高地での対策です。