アジアの森林にすむクマです。黒っぽい体の胸に、淡い色の月やV字に似た模様があります。
耳は大きく、尾は短いため、長い毛に隠れて見えにくくなっています。
ツキノワグマはサルナシの果実を食べ、その小さな種をふんと一緒に外へ出します。果実を食べた場所から移動すれば、種も別の場所へ運ばれます。山に暮らすクマの食事は、植物の種が運ばれる高さにも関わっています。
奥多摩で二〇一一年に集めたふんを使った研究では、種の皮に含まれる酸素の違いを手がかりに、元の木が生えていた標高を推定しました。その高さとふんの落ちていた高さを比べると、クマが運んだ種は平均で約三九三メートル低い場所にありました。種が出発した場所と届いた場所の高低差を、酸素の成分から求めた結果です。
種の出発点が高いほど、下向きに運ばれる傾向も強く現れました。クマは種を遠くへ運ぶだけでなく、山のどの高さへ届けるかという点でも、植物とつながっています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
四国の地域集団について、二〇二〇年の広域保護指針は、捕獲の圧力と、開発や自然林の伐採による生息地の減少・分断を衰退の要因に挙げています。地域の関係機関は二〇一七年に広域協議会を設けました。同指針は、まとまった落葉広葉樹林の確保を保護上の課題としています。