コスタリカとパナマの標本記録がある高地性のトガリネズミです。比較的長い尾を持ち、移動方法の分析では半水生とは考えにくい一方、分類結果には不確かさが残ります。
尾は同属の多くの種より長めです。半水生のトガリネズミで見られる、指や尾の縁に並ぶ短い毛の房はありません。
ホソコミミトガリネズミは、中米南部のコスタリカとパナマの山地にすむ小さな哺乳類です。コミミトガリネズミの仲間は北米から南米北部まで広がり、それぞれの山に暮らす種類も多くいます。この種も、その山地の動物たちの一員です。
2021年の研究は、十一種類、十三点の組織試料からミトコンドリアのDNAを読み取り、仲間同士の関係を調べました。さらに、別の研究で得られた遺伝子の情報も合わせて分析しています。中米の仲間との近い関係を支持する結果が得られ、南米に多い仲間との関係についても、複数の可能性が検討されました。
このつながりから著者らは、祖先が中米から南米へ何度か渡った可能性と、この種の祖先が南米から中米へ戻った可能性を挙げています。今、山に暮らす小さな一種類を調べることが、遠く離れた大陸の仲間たちを結び、大昔にどちらへ移動したのかという問いにつながったのです。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
2021年の研究は、この種を含むコミミトガリネズミ類について、山地に分かれた分布と限られた生息範囲が、温暖化や人による生息地の破壊への弱さに関わると指摘しています。著者らは、こうした山地の小型哺乳類に保全上の関心を向ける必要性を述べています。ホソコミミトガリネズミの保全でも、コスタリカとパナマの山地の環境が重要になります。