イタリア北西部の洞窟にすむ小さなクモです。知られている場所は、ピエモンテの三つの洞窟に限られています。
目が大きく退化し、腹部には色素がありません。
Troglohyphantes pedemontanusは、体長三ミリメートルほどの小さなクモです。ブナの森に入り口がある洞窟に暮らします。地表の森林から続く地下に、この小さな動物の生活の場があります。
二〇一九年の研究では、ボッセア洞窟の個体を使って、暖かさへの耐え方を調べました。研究者はクモを一匹ずつ容器に入れ、まず洞窟と同じ温度で一日過ごさせました。その後、湿度を一〇〇パーセントに保ったまま、温度を一日あたり摂氏一度ずつ上げていきました。
この種では、およそ一三度で半数が体も脚も動かさなくなりました。洞窟の年平均気温は約九度で、その差はおよそ四度です。加熱後に装置から出しても、動きは戻らなかったと報告されています。温度を一定にした比較用の個体には死亡がなく、実験室での温度変化に対する反応が確かめられました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
気温の上昇で、洞窟内のすみかが狭まると予測されています。
二〇二二年の種別資料は、生息域の一部がボッセア洞窟の特別保全地域に含まれるとしています。一方、観光利用される洞窟では、活動のルールを徹底し、案内する人への研修や一般への情報提供を進める必要があると提案しています。個体数と生息環境の継続的な調査も、将来の変化を確かめるための課題です。