ヒメイワシャコは黄褐色の小型の鳥で、パキスタン北部のスワート渓谷の農地で記録されています。
小型でチュウカーに似た姿をし、黄褐色の体、黄色い脚、橙色のくちばし、明るい黄色の目をもちます。
ヒメイワシャコは、乾いた石の多い土地で暮らします。パキスタンのスレイマン山地では、東側と西側の鳥は羽の色や体の大きさがよく似ています。くちばしには違いがあり、西側の鳥は黄色み、東側の鳥は赤みを帯びます。同じ山地にも、少しずつ姿の異なる鳥たちが暮らしています。
二〇一〇年の研究は、この二地域の鳥を羽から調べました。二〇〇六年十月〜〇八年一月に集めたのは、東側十二羽、西側十一羽の尾羽です。鳥を捕まえ、尾羽だけを抜いて、その根元からDNAを取り出しました。小さな羽の根元が、鳥同士の遺伝的な違いを比べる材料になりました。
二地域の間には、調べた地点同士で最大約百五十キロメートルの隔たりがありました。それでも、DNAの目印を比べた全体の違いは小さく、東西の鳥がそれぞれ一つのまとまりに分かれる形は現れませんでした。くちばしの色に違いがありながら、二地域の鳥は、調べたDNAの目印では近いつながりを示したのです。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一〇年のパキスタンの研究は、立ち入りが限られ自然が残るスレイマン山地を、保全に適した地域として挙げ、より詳しい遺伝的な調査を提案しました。一方、二〇二一年の欧州資料では、専門家の判断に基づくトルコの二〇一二〜一八年の傾向は減少、アゼルバイジャンの二〇一三〜一九年の傾向は増加です。生息地を守るとともに、地域ごとの変化を調べ続けることが課題です。