本州・四国・九州などが原産のイタチです。細長い胴と短い脚を持ち、額から鼻にかけて濃い茶色の模様があります。
成獣のオスはメスより大きくなります。額から鼻にかけての濃い模様は、周りの毛色と区別できます。
ニホンイタチの食卓には、小動物だけでなく果実も並びます。渡良瀬遊水地では、夏に集めたふんの八割から果実の種子が見つかり、甲虫も多く残っていました。冬にも果実の種子が現れ、葉や茎、根などの植物由来のかけらも見つかっています。水辺の肉食動物の食事には、季節ごとの植物の恵みも入っていました。
2026年の研究では、2024年9月から2025年8月まで、堤防や管理用の道などを歩いて集めた103点のふんを調べました。ふんを水で洗い、残った毛や骨、昆虫のかけら、種子などを顕微鏡で見分けています。夏の20点では16点から果実の種子、14点から甲虫が見つかりました。一方、春の22点では八点に魚、七点に哺乳類の残りがありました。夏のふんに目立った種子と昆虫に対して、春には水の中の魚や陸の小動物の姿も食事の跡に現れています。ヨシ原や池、水路が隣り合う湿地で、多様な食べ物を取り込むニホンイタチの暮らしが浮かび上がりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
福岡県の2024年版レッドデータブックは、平野部では開発などによりニホンイタチが姿を消し、外来のシベリアイタチが広がっていると報告しています。山地でも、集落や耕作地の周りにシベリアイタチが入り込んでいます。一方、渡良瀬遊水地の食性を調べた2026年の研究は、ヨシ原、堤防、周辺の陸上の草木など、多様な環境を保つことを管理上の課題として挙げています。同時に、競合する外来動物まで増やす管理には注意を促しています。地域の環境と、そこにいる動物の組み合わせを考えた保全が提案されています。