オスは、腹部が横から見るとほぼ球形です。
腹部には、背中側に突き出すこぶの代わりに、とても低い盛り上がりがあります。
Zephyrarchaea markiのオスは、おなかの背中側に赤茶色の硬い板を持っています。この板は前方で腹側の硬い部分とつながり、おなかの背中側の前寄り約三分の二を覆います。名前の基準となったオスは体長2.77ミリメートル。いちばん前の脚では、太ももに当たる節だけで2ミリメートルあります。
この小さなクモは、幼いクモの標本からも種を見分ける手がかりを残しています。西オーストラリアのシスル・コーブでは、2009年七月に三個体の幼いクモが得られ、翌年六月にはオス二個体と幼いクモ一個体が得られました。2012年の研究では、このうち三個体の幼いクモに対応するDNA資料を使い、ミトコンドリアの二つの遺伝子で、本種を比較対象の他種と区別する九か所の塩基の違いが示されています。おとなの体の形に加えて、幼い時期の標本が持つ遺伝情報も、本種を特徴づける材料になりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
2012年の研究では、本種の確認地はケープ・ル・グランド国立公園のシスル・コーブでした。研究者は、この場所の個体群に対する潜在的な脅威として、火災、バンクシアの茂みに影響する植物が枯れる病気、気候変動を挙げています。海岸の密生した茂みと、その中にたまる落ち葉が、本種の具体的な居場所として報告されています。
西オーストラリア州の二〇二五年十二月の南海岸地域保全計画は、本種を含む五種のクモについて、火災後の生息地を二年ごとに調べ、再び姿を現すかを確かめることを提案しています。