メスは、目の後ろに深いくぼみがあります。
腹部は横から見ると球形で、背中側に突き出すこぶがありません。
Zephyrarchaea grayiの名前の基準となったメスは体長三・三六ミリでした。頭から胸に当たる部分は、長さ一・一三ミリに対して高さ一・九四ミリあり、前後の長さを上回ります。あごの前面には付属の毛がありません。
このクモの名前は、夜の採集で見つかった一匹のメスに基づいています。一九七四年三月二十六日、マイク・グレイがビクトリア州グランピアンズ国立公園のデリーズ・デルで採った標本です。二〇一二年に新種として発表されるまで、採集から三十八年が経過していました。種名grayiには、発見者でありクモの研究に貢献したグレイへの敬意が込められています。
研究者は二〇一〇年三月にも、最初の採集場所で本種を探しました。しかし新しい標本は得られず、その場所は火災に遭った後でした。この結果は二〇一二年の原著に、最初のメスの詳しい形とともに記されています。残された一匹の標本が新種の姿を伝える一方、野外で再び見つけるための調査が課題として残りました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
オーストラリア政府の二〇二六年八月更新の説明は、本種への潜在的な脅威として、生物多様性を損なう火災の起こり方、気候変動、植生の伐採や植物の病気による生息地の劣化を挙げています。絶滅危惧種の科学委員会は、分布域全体での減少や国内の個体群への影響を判断するには、データが不足しているとしています。再発見のための調査と、生息場所や火災の影響を確かめることが、保全を考える基礎になります。