ユーラシアの北方に広く分布するハクチョウです。成鳥は白い羽と、付け根が黄色く先が黒いくちばしを持ちます。
成鳥の羽は白く、脚は黒い色です。若い鳥は灰色がかった茶色で、くちばしにも桃色の部分があります。
ヨーロッパ大陸の北西部で冬を過ごすオオハクチョウには、夏に羽を生え替えさせる場所を求め、ロシアの北極圏へ移動するものがいます。
二〇一九年の研究は、ドイツのニーダーザクセン州で二〇一四年に位置記録装置を付けた個体を調べました。一二羽に装置を付け、その後の冬に記録を回収できた五羽のうち、子育てをしなかった四羽が、夏の滞在場所から別の場所へ移動していました。四羽とも、北極圏内のロシア北部にある場所で羽の生え替わりを過ごしたと判断されています。
そのうち若い一羽は、五月一九日にベラルーシの滞在地を出発し、六月二一日に生え替わりの場所へ着きました。飛んだ道のりの合計は二三二三キロメートルでした。旅の初めには、主に夜に八〜五〇キロほどの区間を飛んで昼間は休み、その後は昼も飛ぶようになりました。途中のペチョラ川の三角州では、一九日間滞在しています。短い飛行と休息、長めの滞在を組み合わせながら、北へ進んでいました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
英国で冬を過ごす、アイスランドで繁殖する別の個体群を対象とした二〇二三年の研究は、約三〇年間の標識記録を使い、保護区の利用と生存・繁殖の関係を調べました。オオハクチョウ向けに管理される三つの保護区を利用する鳥は、外で冬を過ごす鳥よりも、成鳥・若鳥とも、標識記録から推定した生存確率が高くなりました。一方で繁殖に成功する確率は低く、保全上の役割は生存と繁殖を合わせたモデルで検討されています。保護区では、キツネを防ぐ柵、休息場所の管理、電線を見えやすくする器具などが使われています。