トーマスコミミトビネズミは、コロンビア東部山地の高地にすむ小型のトガリネズミです。小さな耳と目をもち、湿った森林やパラモで見られます。
体長は約8cmとされ、耳は毛の中に隠れるほど小さく、目も小さいです。尾は短く、歯の先端は赤く見えます。
コロンビアのカルパンタ生物保護区で調べられたこの種のメスは、お腹に二つのよく育った胎仔を宿していました。標高三千メートルほどの山で、小さなトガリネズミが次の世代を育んでいたことを示す記録です。
1989年二月から八月の調査では、森と高地の草地、その境目を含む区画に罠を置き、捕まった動物の性別や繁殖の状態を確かめました。本種では七月と八月に妊娠したメスが見つかっています。研究者は、お腹の状態や乳房の発達などを手がかりに記録しました。
調査地で本種が多く利用したのは、高地の草地の側でした。森との境目にも姿を見せています。活動の中心は区画内に均等に散らばらず、植生の違いに沿って偏っていました。森と草地が接する場所も、この小動物の暮らす範囲に含まれています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種が確認されたソアチャのアンデス林について、2023年の調査報告は、残された森林を守り、ほかの森林とのつながりを保つことを提言しています。都市の近くに残る林を一つずつ保全することが、この地域の哺乳類を守るために重視されています。