オーストラリア南部の乾いた地域で、地中に巣穴を掘るウォンバットです。
ずんぐりした体と短く力強い脚を持ちます。鼻にも柔らかな毛があり、体の毛は灰色から黄褐色です。
ウォンバットの巣穴は、土の種類によって「地下の気候」が変わります。南オーストラリア州のムライランズで、研究者は2022〜23年に8つの巣穴を約16か月測り、土質と深さ、使われ方を比べました。板状の石灰質地層の下にある巣穴は、粘土や混合土の巣穴より深く、暑く乾燥する夏から秋には内部がより涼しく、温度も安定していました。この季節、ウォンバットの活動はそうした巣穴で多く記録されましたが、冬から春には差がなくなり、浅い巣穴が使いやすい時期もあります。
干ばつの春には、活動のピークが平年より早まり、気温30度を超える日中にも観察されました。研究者は体温調節の可能性を挙げる一方、暑い時間の活動が熱の負担になる恐れも論じています。温度計を設置したのは8穴だけの予備調査で、生存率や繁殖への効果は測っていません。巣穴の数だけでなく、土質や深さ、季節ごとの利用を調べることが、乾燥地での保全に役立ちそうです。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(種レベル)
2024年11月19日のIUCN世界評価では、ケバナウォンバットは低懸念(LC)で、個体群傾向は増加とされています。一方、評価は分布全体の個体数を正確に把握できておらず、地域ごとの変化も一様でないとしています。南オーストラリア州ムライランズの一調査地では、ミレニアム干ばつ後に個体数が約80%減り、回復していないとIUCNは記載しました。1993〜2024年の現地研究も、乾燥化に伴う体の状態と、子を持つメスの割合の低下を報告しています。IUCNは長期化する干ばつ、生息地の劣化、農地での衝突を懸念に挙げます。評価には、世界的な増加と干ばつ後の地域的な減少の両方が記録されています。