チビオマングースはマレー半島、スマトラ、ボルネオに分布するマングースです。昼に林床で獲物を探し、基本的に単独で暮らします。
体は細長く、脚は短めです。頭は体に比べて小さく、鼻先はとがっています。毛は黒褐色から濃い茶色で、喉とあごは淡い茶色です。
マレー半島のクラウで調べられた低地の森では、チビオマングースのオスはメスよりも広い範囲を使って暮らしています。オスの行動範囲は、複数のメスの範囲と重なります。一方、メス同士が使う範囲の重なりは小さく、同じ森にもオスとメスで異なる空間の使い方があります。
二〇〇五〜二〇〇七年、マレーシアのクラウ野生動物保護区で、研究者はおとな五頭に発信器を付けて追跡しました。位置の記録の九五%を囲んだ範囲は、オス三頭で平均二三三ヘクタール、メス二頭では一三二ヘクタールでした。二頭のメスの範囲が重なる割合は、平均三・七%でした。
さらに、二十四時間の間隔で得た位置を直線で結んだ移動距離は、オスで平均八四二メートル、メスで四六八メートルでした。曲がりくねって歩く実際の道のりは、これより長くなります。同じ時刻の居場所を翌日と比べると、この森でオスがメスより大きく場所を移していた様子が浮かびます。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
クラウでの二〇〇五〜二〇〇七年の調査では、オス一頭の前脚にわなの残骸が食い込んでおり、研究者が取り除いて手当てしました。保護区内にも、わなによる被害があった具体例です。低地の森を残し、わなを減らすことが保全上の課題になります。