タンザニアのメルー山で知られ、山地林から樹木限界を越えた高山帯まで記録されたトガリネズミです。背中は濃い茶色で、尾の根元側に剛毛があります。
背中は濃い茶色で、腹側は少し灰色がかった茶色です。尾の根元側のおよそ3分の2に剛毛があります。
Crocidura newmarkiは、メルー山の東側の山地で、Crocidura allexやCrocidura hildegardeaeと同じ場所にすんでいます。一つの山にも、違う種類のトガリネズミが暮らしています。本種の足の裏の内側には、小さな粒のような盛り上がりが多数あります。
メルー山のこの動物は、かつて遠くのルウェンゾリ山地にすむCrocidura montisと同じ種に分類されていました。二〇一五年の研究では、タンザニアの山々で集めた標本を使い、頭骨の形とDNAの両方を調べ直しました。採集には、地面に埋めたバケツを並べる落とし穴式のわなを使っています。
比較すると、メルー山の標本は、ルウェンゾリ山地の標本より頭骨の多くの部分が小さくなっていました。DNAによる分析も、メルー山の集団を独立した種として扱う判断を支えました。姿がよく似ていても、離れた山の動物を詳しく比べると、それぞれの山に固有の違いが見えてきます。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種の基準標本は、アルーシャ国立公園内のメルー山で得られています。タンザニア森林局は、二〇一五年九月二十日の衛星画像でメルー山から煙が立ち上る様子を紹介し、森林火災を森林保全の課題に挙げています。国立公園では山地林や高地の環境を保護しています。火災への備えと、生息場所の状態を確かめる調査を続けることが大切です。