短めのくちばしを持ち、水辺だけでなく陸でも草を食べるカモです。オスの繁殖羽では赤茶色の頭と淡い額が目立ちます。
オスは繁殖羽で額がクリーム色になり、メスは頭や体が褐色系です。オスも羽が生え替わる時期にはメスに似た姿になります。
ヒドリガモは、草の高さに応じて、くちばしを動かす速さを変えます。スコットランドで飼育された鳥を調べた実験では、高さ3センチの草で、ついばむ回数が最も多くなりました。それより草が長いとついばむ速さが下がり、2.5センチ以下の短い草でも回数が減りました。草の上を歩く鳥の小さな動きは、足元の植物の状態と結び付いていたのです。
1998年の論文は、1981年4〜5月、カーレバロック保護区で行った実験を報告しています。対象は人のもとで生まれた若い十羽。草を食べて高さが下がっていく囲いで、17日間、ついばむ速さを測りました。さらに、1982年秋の野生の鳥については、肥料を与えた草地の帯と、そのままの帯を比べています。肥料を与えた帯では、鳥はゆっくり歩き、速くついばんでいました。場所を通り過ぎる速さを落とし、その場所で口を動かす回数を増やす行動が、質の違う草地を使い分ける様子を伝えています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
ヒドリガモの採食地を守る上では、草の質と、落ち着いて食べられる環境の両方が関わります。イングランドのチェトニー湿地で1978年11月から1979年5月に行われた観察では、ヒドリガモは普段、道路や土手から離れて食べていました。交通量の少ない週末には、道路近くにある、栄養の豊かな草地も使っていました。1980年の論文の著者らは、人の活動による影響と草地の栄養価を、餌を得る場所の利用に関わる二つの要因としています。