冬の日本の水辺で見られる小型のカモです。繁殖羽のオスは赤茶色の頭に、目を囲む濃い緑色の帯があります。
メスは全体に褐色で、オスも羽が生え替わる時期にはメスに似た姿になります。オスの繁殖羽では、おしりの横の黄色い模様も目印です。
コガモに食べられた植物の種の中には、体の中を通り抜けても芽を出すものがあります。中国・安徽省の升金湖の湿地を舞台にした飼育実験では、ふんから取り出した種を湿らせたろ紙に置き、発芽を確かめました。小さなカモが食べることと、湿地の植物の種が運ばれることが、つながっています。
2022年に公表された原著では、コガモ3羽に8種類の湿地植物の種を与えました。1回に2種類の種を100粒ずつ組み合わせ、ふんの中に形を保った種が残るかを36時間にわたって調べています。コガモから回収できた割合は、植物ごとの平均で、飲み込んだ種の約3~24%でした。
回収した種を発芽させると、植物ごとの平均で約25~55%が芽を出しました。食べられた種の一部が生き残り、さらに芽を伸ばす力も残していました。ふんとともに外へ出ることが、植物の種の移動経路になり得ます。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
日本では、コガモが冬を過ごせる湿地を保つことが、生息地の保全につながります。兵庫県豊岡市の加陽水辺公園は、出石川下流域の一部を国や市が自然再生事業で整備した湿地施設です。環境省は、冬にコガモ、マガモ、ハシビロガモなどが滞在する場所として紹介しています。川沿いの湿地を再び整えるこのような取り組みは、渡ってきたカモ類の冬の居場所を支える一例です。