がっしりした黒い体で、背びれのないクジラです。主に北大西洋の沿岸にくらしています。
頭には、白く見える硬い皮膚のふくらみがあります。白い色は表面についた小さな甲殻類によるものです。
タイセイヨウセミクジラの母親は、生まれて間もない子を連れているとき、小さな音の種類を多く使います。妊娠中のメスや若い個体も小さな音を出しますが、子育て中の母親では、その割合が高くなります。遠くへ届く大きな声ばかりでなく、近くにいる相手へ伝わるような静かな音も、クジラの声の一部です。
2019年の研究は、アメリカのジョージア州とフロリダ州の沖合で、2006年と2014〜2016年の1〜2月に集めた録音を分析しました。吸盤で体に付けた装置による16回分、計107.9時間の録音から、754の声を取り出しています。比較すると、授乳中の母親は、妊娠中のメスや若い個体より、小さな音の種類を使う割合が高いと分かりました。研究者は、母と子が天敵に気づかれにくくなる可能性や、子育て中にはほかのクジラとの交流が少ないこととの関わりを考えています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
漁具のロープへの絡まりと船との衝突は、タイセイヨウセミクジラの主要な死亡原因です。アメリカ海洋大気庁は2025年2〜5月、マサチューセッツ州とロードアイランド州沖で、通常の縦ロープを使う漁が制限された期間に、必要なときに引き上げる漁具を漁業者と試験しました。海面の浮きと海底のかごを常時結ぶロープを減らし、クジラが絡まる危険を小さくするための技術開発です。