ハイイロイワシャコは、白い喉斑を黒い縁取りが囲む山地性のキジの仲間です。分布はヨーロッパの山地に限られます。
胸と上面は灰色で、脇には黒と赤褐色の横縞があります。喉は白く、黒い縁取りが目立ちます。
ハイイロイワシャコには、オスとメスがそれぞれ別の巣で卵を温める子育てがあります。フランス南部の山に暮らす鳥では、同じつがいの二羽が、離れた場所で巣を守ります。かえったひなは歩いて巣を離れ、親について移動します。卵を温める時も、ひなを連れて歩く時も、オスが親として働きます。
二〇一二〜一六年、フランスのデヴォリュイ山地で成鳥六十二羽に発信器を付けた調査では、四組のつがいで両方の巣を確かめました。二羽の巣の間は、およそ四百〜八百メートル。巣ごとに一羽が卵を温めており、同じ巣でオスとメスが交代する形とは違う、二か所に分かれた子育てでした。
ふ化後の二〜三週間に追跡した十九組のひなは、どれも一羽の親に連れられていました。親がオスだったのは八組、メスだったのは十一組です。さらに四羽のオスは、ひなが六〜七週齢になるまで連れて歩く姿が見られました。オスの役目は卵を温めるだけで終わらず、巣を出たあとの暮らしにも続きます。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
イタリア中部ラツィオ州の二〇〇七年夏〜〇九年春の調査をまとめた二〇一三年の原著は、生息域の縮小を報告しました。残る山地の草地や牧草地を守り、繁殖場所の環境を改善することに加え、個体群の孤立、密猟、交雑による影響への対策を挙げています。個体数や繁殖の状況を追い、健康状態と遺伝的な特徴を調べることも、地域の行動計画に含まれます。