北極圏で繁殖する海ガモです。冬は沿岸や大きな湖で過ごし、深く潜って水生動物をとります。
成鳥のオスには細長い尾羽があります。メスと若いオスにはこの長い尾羽がなく、オスの羽色は夏と冬で大きく変わります。
ロシア西部の北極圏で子育てするコオリガモのメスには、冬を過ごす海の東西の位置が、年をまたいでよく似ている傾向があります。同じ繁殖地から旅立った鳥も、冬にはそれぞれ違う海域へ広がります。その広がりの中に、鳥ごとに繰り返す行き先がありました。
2017年と2018年に、ロシア北極圏の3か所でメスに小さな記録器が付けられ、その後回収できた65羽の移動が調べられました。光の変化から位置を求め、水の塩分に関わる記録も使って、バルト海とその外側の海が区別されています。2冬以上を追えた28羽では、26羽が続けてバルト海で、2羽が続けてその外側で冬を過ごしました。
冬の海で過ごす期間は平均で約7か月でした。春になると多くのメスは北極圏の海でいったん足を止め、その後、子育てのために淡水の湖や池へ移っています。長く過ごす冬の海と、春の途中の海、夏の淡水をつないで一年を巡ります。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
ロシア西部で繁殖するコオリガモの保全では、冬のバルト海と、渡りの途中に使う白海の両方が重要です。2025年の追跡原著は、両海域を一年の異なる時期の重要な場所として位置付けています。また、分布の変化を捉えるため、フィンランド周辺の氷のない海域まで冬の観察範囲を広げるよう提案しています。冬の海と渡りの中継地を結び付けた保全が、この集団を支える課題です。