オスの大きなあごの前面には、ごく短い毛の列があります。
記載されたオスとメスでは、腹部に灰色がかった茶色とベージュのまだら模様があり、背中側に3対のこぶがあります。
Austrarchaea raveniは、頭の部分が高く持ち上がったクモです。記載の基準となったオスでは、頭胸部の長さが一・〇八ミリメートル、高さが二・五九ミリメートルありました。オスにもメスにも、頭には小さな角が二対あります。
このクモを調べた二〇一一年の論文には、倒木の根元でメスと幼体が一緒に得られた記録が残っています。二〇〇一年三月三日、マウント・グロリアスで、メス一個体と幼体一個体が夜に採集されました。著者らは、その場所を倒木の根元にある「母親の網」と記しています。大きな森林の名前に加え、クモがいた小さな場所まで記録された例です。
別の標本にも、森の中のさまざまな場所が書き留められています。名前の基準になったオスは、一九九〇年八月に空洞のある丸太の内側から採集されました。二〇一〇年五月の標本は、地面より高い位置の落ち葉をふるいにかけて得られています。倒木の根元、丸太の空洞、積もった落ち葉といった細かな採集場所が、この小さなクモを探す手がかりとして保存されています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一一年の著者らは、本種の分布は狭いものの、複数の国立公園や森林保護区では比較的多く見られると報告し、当時は保全上の懸念がある種とは扱っていません。採集地の森林や倒木、落ち葉のある環境を保ち、生息状況を再確認することが今後の調査につながります。