木の枝のように広がりますが、植物ではなくサンゴという動物です。カリブ海の浅い海で育ち、集まって茂みのようになった場所は、魚などのすみかになります。
平たい枝が幹から分かれて広がります。色は黄褐色から淡い褐色で、多数の小さな個体が集まって育ちます。
Acropora palmataは、産卵のとき、卵と精子が一つになった小さな束を海へ放ちます。一つの群体が卵と精子の両方を作り、海の中で次の世代につながる細胞を出します。
二〇一八年、研究者はキュラソー島で集めた新鮮な卵に、遠くから運んだ凍結精子を合わせました。使ったのは、フロリダで二年前に採ったものと、プエルトリコで十年前に採ったものです。液体窒素で保管した精子を解凍し、卵と受精させることで、離れた地域の群体から新しい子を育てました。
幼生はフロリダの二つの施設へ運ばれ、付着した後も育てられました。六か月後には小さな群体が生きており、フロリダの精子を使った子の一部では、遺伝子を調べて両地域の親とのつながりも確認されました。大きな親の群体を移動させず、保存した細胞を通して、地域を越えた繁殖を行った研究です。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
海水の温度が上がることは、このサンゴへの脅威の一つです。体内の藻類が失われる白化は、栄養不足や病気への弱さにつながり、死んでしまう場合があります。
このサンゴを増やすため、育てたサンゴを海に植え付け、その後の生き残り方や成長を調べる取り組みも行われています。植えた数だけでなく、海で育ち続けられるかを確かめています。
二〇二一年の研究は、凍結保存した精子で、離れた地域の群体に由来する子を育てられることを示しました。研究者は、残る遺伝的な多様性を保存し、繁殖へ利用する手段として、この方法の活用を提案しています。野外へ戻した後の生き残り方や、暑さなどへの強さは、さらに調べる課題です。