外洋の深い海にすむ、がっしりした体と短いくちばしを持つイルカです。
目から胸びれへ伸びる濃い帯がありますが、その形や濃さには性別や地域による違いがあります。背中は青灰色で腹は白く、小さな三角形の背びれがあります。
サラワクイルカの密度を海の地図にするため、米海軍の大西洋艦隊訓練・試験区域を対象にしたモデルが作られました。2022年版では、1992〜2020年の航空・船舶調査を集約。合わせて約138万7千kmの航跡データに、同種の14群・753頭の観察記録が含まれていました。
ただし観察群が少なく、調査の範囲も均一ではなかったため、環境条件から密度を予測する通常のモデルや従来型の個体数推定はできませんでした。そこで報告書は、水深200m以上かつ平均海面水温22℃以上の範囲に生息すると仮定し、その中では密度が一様として計算しました。研究者自身がこの方法を「簡易的な代替」と説明しており、地図の背後にある仮定を読む大切さが分かります。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
AFTTの2022年モデルは、1992〜2020年の調査から得たサラワクイルカの14群・753頭の記録を使いましたが、通常の密度面モデルを組めるほど観察は多くありませんでした。報告書は一定の水深・水温域で密度を一様と置く簡易法を採用しています。地域計画の参考にはなる一方、個体数の精密な推定や世界全体の保全状態を示すものではなく、追加観察が必要です。