ベネズエラ北部と隣接するコロンビアに分布する大型のホウカンチョウです。オスは黒い羽と黄色いくちばしのこぶが目立ち、オスとメスとも冠羽をもちます。地上と木の上で植物質のものや小動物を食べます。
オスは黒い羽に青緑色の光沢があり、白い腹と、先が巻いた大きな冠羽をもちます。くちばしの上には黄色い肉質のこぶがあります。メスも冠羽をもち、体の下側には白い横縞が入ります。
キコブホウカンチョウが暮らすベネズエラの平原には、草原だけでなく、川沿いの林や、乾季に葉を落とす森林が広がります。この鳥も開けた場所へ出ることがありますが、森林で過ごす時間が長いことが、発信器を使った追跡調査から分かってきました。平原の中にある木々が、日常の暮らしを支えています。
2001年十一月から翌年八月にかけての調査では、成鳥五羽と、成鳥になる前のオス一羽が追跡されました。成鳥の内訳はメス四羽とオス一羽です。位置の記録を重ねると、鳥たちが使う範囲は大きく重なっていました。同じ森の広い範囲を、複数の個体が利用していたのです。
追跡された鳥は、草原や牧草地にも時折出ましたが、多くの時間を川沿いの森林や落葉する森で過ごしていました。調査地は狩猟のない、質のよい生息地として報告されています。鳥がどこを移動し、どの環境に長くいるのかを知ることは、平原の中で保全する森林を選ぶための手がかりになります。
IUCNレッドリスト(BirdLife掲載) · 準絶滅危惧(NT) · 世界
BirdLifeの世界評価は準絶滅危惧です。ベネズエラの追跡調査は、川沿いの森林と落葉する森林を長く利用することを示しました。狩猟のない森林で得られた生息や移動の記録が、重要な生息地を把握する基礎になっています。