アラナミキンクロは北米北部で繁殖し、それ以外の季節は海岸近くの海で過ごすことが多い海ガモです。
オスは黒い体に橙・白・黒の大きなくちばしと白い顔の斑があります。メスは暗褐色で、顔に白い斑が二つ見られることがよくあります。
アラナミキンクロは、春先にニシンが産卵する海で、卵を食べることがあります。カナダ西部のジョージア海峡では、冬に貝を食べていた海域から、ニシンが産卵した沿岸へ移動していました。岩や海藻などに付いた卵も、水中に潜って食べます。季節限定の食べ物が現れると、餌をとる場所と潜り方が変わりました。
2002〜2004年の冬と春に発信器を使って調べた記録では、冬は29羽、ニシンの産卵期は20羽の行動が追われました。日中の観察時間に占める水中の時間は、冬の平均23%から産卵期の11%へ減りました。一方、一回の潜水は産卵期の方が長く、潜る回数は少なくなっていました。水面に戻るまでの一回を長くする一方で、一時間全体では水中にいる時間が短くなる、という潜り方です。春の沿岸では、冬とは違うリズムで潜ってニシンの卵を食べていました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
米国ワシントン州の野生生物当局は、アラナミキンクロについて、一部の養殖方法が海ガモを餌場から遠ざけることや、開発が繁殖地・越冬地に与える影響を課題に挙げています。重要な餌場を見つけて守ることなどが対策として示されています。また、ピュージェット湾などでは、冬の海ガモの数や分布を調べる飛行調査が毎年行われています。