南アフリカのアルゴア湾で見つかった、小さな体がつながって育つホヤです。枝分かれした柄の先がふくらみます。
海底に付いた基部から細長い柄が立ち上がり、先で枝分かれします。それぞれの枝の先端には、ふくらんだ胸の部分があります。
Pycnoclavella narcissusの小さな体の中には、水が通る大きな孔が並んでいます。胸の部分の内側にある壁は、縦横に走る細い帯で区切られ、その間が広く開いています。孔は四列あり、細かな体のつくりの中にも目立つ特徴があります。
二〇〇五年の原著で研究者が注目したのは、浅い海の多くのホヤが持つ、細かな毛に縁取られた小さな裂け目状の孔が、本種には見られないことでした。アルゴア湾で二〇〇二年三月に採集された標本を調べ、この広く開いた孔を報告しています。
著者は、このつくりが深海の多くのホヤに見られる孔に似ていると比較しました。さらに、体や水の出入り口の向きが、周囲の海流を利用して体内に水を流すのに役立つ可能性を提案しています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇二二年の南アフリカ国立公園の報告には、テーブルマウンテン国立公園海洋保護区の生物一覧に本種が載っています。この海域では、汚染、海のすみかの改変、外来種などが保全上の課題として整理されています。本種についても、過去の産地や掲載された海域で、付着する場所や群体の広がりを継続して調べることが、変化を知る手がかりになります。