アメリカバクは、南アメリカの森や湿地に暮らすバクです。水の近くを好み、よく泳ぎます。
おとなは茶色っぽく、頭から首へ短いたてがみが続きます。幼獣には白い横じまがあります。
アメリカバクは、植物だけでなく土も口にします。アマゾンの森には、動物が繰り返し土を食べに来る場所があります。バクもその利用者で、アグーチやパカ、ペッカリーなどと同じ土場に姿を見せます。
二〇二四年に公表された研究は、ペルー北東部のスクサリ川流域で、この土食いを調べました。二〇一八年八月から翌年六月にかけて動物の訪問を記録し、十分な観察期間を確保できた五二か所を分析しています。アメリカバクが訪れたのは、そのうち二九か所でした。土場ごとに訪問の頻度が異なり、バク以外の動物もそれぞれ違う使い方をしていました。
土の成分との関係を調べると、ナトリウムの多い土場ほど、バクの訪問頻度が高くなる傾向がありました。著者らは、土を食べることが食物だけでは足りないミネラルの補給に役立つ可能性を挙げています。バクが通う土場は森の中に点在し、果実や葉を食べる暮らしの中に、土を口にする時間も組み込まれています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
ブラジルでは、道路で車にはねられることが保全上の課題です。IPÊの二〇一九年の報告は、マトグロッソ・ド・スル州の道路MS―〇四〇で、二〇一七年九月から翌年五月まで既存の道路下通路を調べました。アメリカバクが入口から出口まで通ったと確認できた記録は五三三回ありました。一方、路面を横切るバクも見られています。報告は、通路へ誘導して路面への進入を防ぐ柵の追加を提案しました。