中央アメリカに分布する小型のトガリネズミです。原記載では背中とお腹で毛色が変わると記されています。
背中は濃い褐色で、脇は少し淡く、腹側は白い毛先が目立つ灰色です。毛はとても短く柔らかで、光沢があります。尾は上側が暗く下側が淡く、先端にはごく小さな毛束があります。
クリプトティス・オロフィルスは、ホンジュラスからコスタリカにかけての中央アメリカにすむ、小さなトガリネズミです。山地の川沿いにも暮らしています。
一九九二年十月十二日、ホンジュラスのセラケ国立公園で、一匹のメスが捕まりました。場所は標高千四百三十メートル、アルカグアル川沿いの、増水時に水が広がる土地です。落とし穴式のわなに入ったこのメスのお腹には、育ちつつある三つの胚がありました。一匹の標本が、この場所では十月にも繁殖していたことを伝えています。
この発見を含む調査は、二〇一二年に報告されました。同じ一帯では、二日後に別の二種のトガリネズミも捕まっています。小さな仲間が近くで暮らす場所だったのです。著者らは、似た種どうしが食べ物を得る細かな場所を使い分ける可能性を考えました。川辺に残された標本は、繁殖の時期と、仲間との暮らしの重なりを調べる手がかりになりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一二年の論文は、中央アメリカの山地の生息地について、人や家畜の進出、外来生物、温暖化を脅威として挙げています。この種については、確かな標本に基づいて生息場所を把握することが、山地の生息地を守るための基礎になります。