フタコブラクダは、こぶを二つ持つ家畜のラクダです。中央アジアで飼われ、寒い冬と暑い夏に適応しています。
こぶには脂肪が蓄えられます。寒い時期には厚い毛が生え、暖かくなると抜け落ちます。
モンゴルの家畜フタコブラクダには、体の大きさや毛の生産量などに特徴のある系統があります。乳や肉、毛を得るために飼われるとともに、荷物を運ぶ動物としても人の暮らしを支えてきました。人が選んで育てることで、さまざまな特徴が受け継がれてきた家畜です。
二〇一四年に発表された研究は、モンゴルの七か所で採った血や毛を使い、三つの特徴的な系統と一般の在来群を比べました。近い血縁関係にある個体を除いて解析すると、多くの群では、外見上の分け方に対応するはっきりした遺伝的なまとまりは見られませんでした。調べた遺伝子の目印は、群を越えて広く共有されていたのです。
北西部から採った四頭には、ほかの群との小さな違いが見つかりました。著者らは、荷運びや交易に伴うラクダの移動が、群どうしのつながりを保ってきた可能性を考えています。姿の違いと、人とともに移動してきた歴史を、別々の手がかりからたどる研究です。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
家畜であるフタコブラクダでは、地域の特徴や遺伝的な多様性を保ちながら繁殖を管理することが課題です。この研究は、モンゴルの飼育頭数が減っていたことを背景に行われました。調べた目印では、最近の減少による強い遺伝的な縮小の証拠は得られず、著者らは、群どうしの交流や、過去の増加の影響も考慮しています。得られた情報を、伝統的な飼育と遺伝資源の保全に役立てることを目指した研究です。