北極の海にくらす、背びれのないクジラです。オスでは、歯が長い牙へ育つことが多くあります。
ふつうオスの上あごの左の歯が前へ伸びます。牙を持つメスや、牙のないオスも確認されています。
イッカクの長い牙は、主にオスで大きく伸びる歯です。北極の海で群れを作り、深い水中では口に水を吸い込んで魚やイカなどを捕らえます。海氷の割れ目や穴を利用して暮らし、季節によって氷の多い海と沿岸の海を移動します。
2025年に公表されたカナダ北極圏の研究では、ドローンの映像に、牙の先でホッキョクイワナに触れたり、追いかけたりする姿が映りました。魚の動きに合わせて牙の向きを細かく変え、別のイッカクが同じ魚へ近づくのを遮る場面もありました。
研究者は、これらの動きの一部を、物を探ったり遊んだりする行動と考えています。魚を狙うカモメとのやり取りも映り、長い牙を使う場面の幅が広がりました。海氷の減少や狩猟などが脅威になる北極で、野外の行動を映像から調べる取組が続いています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
気候の変化や海氷の減少、狩猟などが脅威です。海氷に閉じ込められて命を落とすこともあります。