オスもメスも、腹部の背中側にこぶが1つあります。
記載されたオスの腹部は黄みのある茶色で、茶色のまだら模様があり、白い毛がたくさん生えています。記載されたメスは、全体にオスより暗い色です。
Eriauchenus workmaniは、体の前に長いあごを伸ばすクモです。頭の上には四つの突起があり、それぞれの先に短いとげがついています。二〇一八年に詳しく記載されたオスでは、体長四・二七ミリメートルに対し、あごは四・〇二ミリメートルありました。
このクモの卵のうから子どもが出てくる様子も、標本の情報として残っています。ラノマファナ国立公園のサハマラオトラの森で採集されたメス二個体には、それぞれ卵のうが添えられていました。二〇一八年の研究によると、その卵のうは飼育下でふ化し、一つからはおよそ二〇個体、もう一つからはおよそ三〇個体の幼体が生まれています。
二つの標本の採集期間は、二〇〇五年一二月二六日から二〇〇六年一月一四日です。採集情報には、乾いた枯れ葉がまとまった植物から採ったことも記されています。おとなの形を比べるための標本資料の中に、卵のうと、そこから出てきた幼体の情報が一緒に保存されました。小さなクモの生活史を知る手がかりは、体の形の記載だけでなく、こうした採集後の出来事にも残っています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一八年の研究には、ラノマファナなどマダガスカル東部の森林で得られた標本がまとめられています。卵のうを伴う個体の採集情報も踏まえ、森林の植物や枯れ葉のある環境を保ち、同じ場所で生息を確かめる調査が役立ちます。