水辺や森の縁などにすむ、細長い体のイタチです。
淡い下毛に黒い長い毛が重なり、目の周りには暗い模様があります。顔の白い部分がその模様を囲みます。
畑のウサギが減れば、ケナガイタチもすぐ別の獲物へ切り替える——そう考えたくなります。英国の長期比較は、もっと複雑な姿を示しました。研究者は2012〜2016年に集めた99頭の胃内容を調べ、獲物を判別できた79頭では、ウサギ類が餌項目の66%を占めました。1990年代の調査と比べても、この割合はほぼ変わりません。一方、秋はウサギ類が最も少なく、食べ物の種類は季節の中で最も広がっていました。1950年代に粘液腫症でウサギが激減した時期には、食卓がより多様だったという過去の記録もあります。近年のウサギ減少は地域ごとの差が大きく、残る場所で捕食できている可能性があります。ただし調査個体の多くは交通事故死体であり、地域の食物事情を完全には代表しません。
さらに、ネズミ類が食事の1割未満でも、2013〜2016年の別調査では68頭中54頭から殺鼠剤の成分が検出されました。餌を切り替える柔軟さと、食物網から毒物を受ける危うさは同時に見えるのです。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(Mustela putorius 種全体)
IUCNの世界評価では、ヨーロッパケナガイタチ(Mustela putorius)は低懸念(LC)ですが、個体数傾向は減少です。評価日は2016年3月5日、公表年は2016年。評価書は分布と個体群規模を根拠にLCとする一方、広い範囲で新しく正確な動向データが乏しく、評価の確信度は低いと記しています。湿地や生け垣の減少、農薬、外来肉食獣が脅威として挙げられています。別枠の英国地域評価(2018年)は、グレートブリテン全体をLC、スコットランドをEN、イングランドとウェールズをLCとしました。英国では分布の拡大も報告されましたが、野生化したフェレットとの交雑が多い地域では個体数の把握が難しいとされます。世界評価と英国の地域区分は対象範囲が異なります。湿地・生け垣を守り、地域ごとの動向と殺鼠剤への曝露を継続して調べることが課題です。