くちばしの上に角のようなふくらみがある、黒と白の鳥です。
体の多くは黒く、白い尾に太い黒帯があります。成鳥の目はオスが赤く、メスが白っぽい色です。若鳥には大きな角状のふくらみがありません。
サイチョウは、東南アジアの森林に暮らし、果実、とくにイチジク類をよく食べます。大きな木の穴で繁殖し、メスが巣の中にいる間、オスが狭い入口から餌を渡します。木の穴と、餌を運べる森林の両方が、巣の中の子育てを支えます。森林が失われることは、家族の食卓と巣の場所に関わります。
英国チェスター動物園では、2006年の成功後、長く繁殖が途絶えたつがいを見守りました。鳥の行動や好みを記録し、飼育環境や食事、日々の関わり方を見直した結果、2019年に二羽のヒナが育ちました。2021年に公表された、このつがいを対象にした取組の記録です。
この取組では、繁殖だけでなく、体の状態や自然な行動も確かめました。巣箱の環境や子の発育を記録することは、ほかの保全施設との知識の共有にもつながります。野生の森林を守る活動とともに、飼育下の血筋をつなぐためにも、鳥ごとの暮らしを知る仕事が重ねられています。
IUCNレッドリスト(保全機関の種紹介掲載) · 危急(VU) · 世界
伐採や農地化などによる森林の減少、狩猟が脅威です。大きな巣の木を残すことに加え、保全施設では血筋を管理した協力繁殖や、飼育・繁殖の知識を共有する取組があります。