オスは、腹部の背中側に2対のこぶがあります。
頭から胸は暗い赤茶色で、脚には濃い輪模様があります。
Austrarchaea wallaceiの名前の基準となったオスは体長三・二八ミリで、一番前の脚の、太ももに当たる節だけで三・〇一ミリあります。頭から胸に当たる部分も、前後の長さ一・一七ミリに対して高さが二・四九ミリあり、細長い脚と背の高い姿を備えています。
このクモが二〇一二年に新種として発表されたとき、資料になったのは一匹のオスでした。採集ラベルに記されていた期間は、一九九〇年十二月六日から翌年一月十七日。クイーンズランド博物館などがマウント・ミザリーで集めた標本が、新しい名前を持つ一種類のクモとして発表されたのです。
種名wallaceiは、クモを愛し、その研究と人のつながりを支えたダグ・ウォレスにちなんでいます。原著は、オーストラリア、とくにクイーンズランド州のクモの研究への貢献と、ロックハンプトンのクモ研究団体を設立して育てた活動を挙げています。標本に残された小さな動物の姿と、その動物を知ろうとする人々の歩みが、一つの学名に結びついています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一二年の原著で本種の資料となったのは一匹のオスで、保全状況を判断する情報は不足していました。採集地を含むモンクハウス森林保留地について、州政府は二〇二〇年五月の説明で、全域が湿潤熱帯地域の世界遺産区域に含まれるとしています。本種についても、採集場所と周囲の雨林で生息を確かめ、分布や生息環境の情報を増やすことが、具体的な保全を考える基礎になります。