幅広い翼で上昇気流を利用する大型のワシです。英国ではスコットランドの山地や島々などにすみます。
成鳥は主に褐色で、頭や首の淡い羽が日光で金色に見えます。若鳥には尾の付け根と翼の下面に白い部分があります。
イヌワシは、山を越える風がつくる空気の波を利用して、高さを稼ぐことがあります。アルプスで追跡された1羽は、同じ上昇する空気の帯へ二度入り、それぞれ約500メートルと約300メートル上昇しました。山に当たった空気が押し上げられ、その先で波のように上下する流れのうち、上向きの部分を飛んでいたと考えられます。
この飛行は2020年10月、オーストリアのチロル地方で記録されました。2025年に発表された研究では、さらに11羽の2023年の記録から、大きく上昇した150区間を選び、飛行と気象の情報を比べています。その約19%では、空気の波による上昇流の利用が示されました。別の上昇流と重なる例も含まれます。日射で温まった空気に乗る飛行に加え、山と風の組み合わせが生む流れも、イヌワシの空の道を支えていました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
日本のイヌワシについて、環境省は森林や草原の手入れ不足による狩り場と餌動物のすみかの減少、大規模な開発、人の不用意な接近を脅威に挙げています。特に繁殖の初めには、人の接近などで巣を使わなくなることが問題になります。環境省などは保護増殖事業を進め、2021年には生息地の拡大・改善に向けた全体目標を公表しました。2025年には事業計画を変更しています。