スマトラ島北西部の山地や丘陵の森にすむキジ科の鳥です。茶色に黒い模様のある背、赤褐色の胸、白い腹、白黒に縁取られた脇が特徴です。
全長約28cm。茶色の額から後頭部には黒い点や筋があり、顔は黒白、目の周りは赤橙色です。胸は淡い赤褐色、腹は白く、脇の羽には太い白黒の縞があります。オスとメスは似ており、メスはやや地味です。
北スマトラのグヌン・ルセル地域では、キタスマトラミヤマテッケイが四羽でまとまっている姿が見られています。山の森にすむこの鳥には、群れで過ごす姿もあります。
この鳥をめぐる研究には、博物館の卵の名札を調べ直した物語があります。オランダに保存された三個の卵には、本種の名前が付いていました。研究者は、飼い主と鳥類研究者の手紙、飼育されていた鳥の写真を突き合わせました。すると、卵を産んだ鳥は、スマトラ島の中部・南部にすむ別種だと分かりました。写真に写る鳥の胸や顔の模様が、訂正の手がかりになったのです。
両種を分ける特徴の一つが胸の色です。キタスマトラミヤマテッケイの胸は赤茶色で、顔には大きな白い斑と、ほおを通る白い筋があります。のどは黒っぽく、その下を白と黒の帯が横切ります。頭頂は、暗い斑のあるくすんだ茶色です。よく似た仲間の中でも、胸から顔にかけての模様に、この鳥らしい姿が表れています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
気候と土地利用の将来予測を扱った研究は、本種を含む東南アジアのキジ目について、将来の生息適地を踏まえた保護区の新設や範囲の見直しを提案しています。