メスが卵の袋を守るクモです。
記載されたオスは、頭から胸をおおう部分がくすんだ黄色から茶色です。
Selenops insularisは、八本の脚の先に、爪を囲む毛の束を持っています。オスにもメスにもこの毛の束があり、脚の一部には細かな毛が密に生える部分もあります。目立つ体の模様だけでなく、小さな足先にも特徴があります。
二〇一〇年の研究では、このクモの一四〇標本を三三地点から集めた資料を使い、遺伝子を比べました。カリブ海の島ごとのまとまりを調べると、本種では、同じ島の個体だけが集まる枝が系統図に現れにくいという結果になりました。調べた別の種では島ごとのまとまりが比較的よく見られ、同じ海域のクモでも違いがありました。
研究者は、この入り混じったつながりに、比較的最近の分布の広がりや、人が物を運ぶときの移動が関わった可能性を挙げています。島の境目と遺伝子の違いを重ねることで、離れた場所の個体同士の来歴を探った研究です。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一一年の原著は、本種を広く分布する普通のクモとし、ビエケス島のキアニ湖周辺にも写真付きの記録を示しています。この島の野生生物保護区では、管理機関が外来の動植物の対策と、大規模な火災の予防や消火に取り組んでいます。本種については、こうした地域の森林保全と合わせ、島ごとの生息地や現在の生息状況を調べることが手がかりになります。