北エクアドルの高地にすむトガリネズミです。長い毛は灰色がかった褐色で、喉のあたりには黄みが強く出ます。原記載は草が育つ高地のパラモを主な環境として記しています。
原記載の標本は長い灰褐色の毛に覆われ、喉の毛には黄みが強く見られました。
Cryptotis niausaは、エクアドル北部からコロンビア南西部のアンデス山地にすむ小さな哺乳類です。高山の草地や、それに接する山地林を利用します。山々に続く草地と森林は、国境を越えてこの動物の暮らしの場になっています。
コロンビアからの初記録を報告した2021年の論文は、一匹のメスを調べた研究でした。個体は2020年三月十三日、ナリーニョ県のラ・ボルサ湖近く、標高三千四百三十七メートルの山道で、死んでいるところを見つけられました。研究者は標本の体や頭骨、歯の形を調べています。
さらに、肝臓から得たDNAの一部分を読み取り、エクアドルの同種の配列と比較しました。形の特徴と遺伝子の分析が、同じ種という判断を支えました。この発見で、最も近いエクアドルの記録地から北へ二十八・三キロメートル、確認された分布が広がりました。一匹の標本が、山地の小さな動物について国境の向こうの暮らしを知らせたのです。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
2021年の研究は、この種の保全を判断するため、分布の北端と南端を現地で調べる必要性を挙げています。個体数の変化や生息地の強い分断についても、評価に使える情報の不足を示しました。エクアドルとコロンビアの高地で、どこに暮らし、集団がどう変わっているかを確かめることが、保全上の課題です。