日本の森林やその周辺にすむ、イヌの仲間です。
黄褐色の毛に覆われ、目の周りや下に黒い模様があります。
日本のタヌキは、大陸のタヌキに最も近縁でありながら、ゲノム解析では独自の進化の枝を示しました。近年、ニホンタヌキ(Nyctereutes viverrinus)を独立種として扱う研究が増えています。2026年、国立環境研究所などの研究チームは、福島県で交通事故にあった個体の耳から細胞を培養し、参照ゲノムを作りました。配列は約26億9千万塩基で、遺伝子のそろい具合を測るBUSCO解析は98.2%でした。
さらにイヌ科19種の共通遺伝子5,822個を比べると、ニホンタヌキは大陸のタヌキに最も近い一方、系統樹では別の枝に位置しました。1個体からできた参照ゲノムは、地域集団の遺伝的な違いや、日本列島での分化の歴史を調べるための足場になります。事故死個体の組織から培養した細胞を保存し、研究資源にしたことも将来につながる成果です。
IUCNレッドリスト(Mammal Diversity Databaseの種別欄) · 未評価(Not Evaluated) · 世界全体(現行種 Nyctereutes viverrinus)
Mammal Diversity Databaseの現行種分類では、ニホンタヌキ(Nyctereutes viverrinus)のIUCNレッドリスト欄は「未評価(Not Evaluated)」で、評価年・評価日は示されていません。2016年のIUCN世界評価では、より広い分類名「Nyctereutes procyonoides」が低懸念(LC)とされ、当時は日本のタヌキをその亜種として含めていました。この古い評価を、現在の独立種ニホンタヌキの評価として扱うことはできません。日本各地の分布と地域ごとの個体数・遺伝的な違いを調べ、種としての保全評価に使える情報を整えることが課題です。