地上を歩いて小動物を探す、大きな黒いサイチョウです。
成鳥はほぼ黒く、飛ぶと翼の白い羽が見えます。顔とのどは赤く、メスののどには青紫色の部分があります。
南アフリカ北部のリンポポ渓谷では、再定着したミナミジサイチョウの一群を14か月追跡し、季節ごとの移動を調べました。雨の多い夏には餌となる無脊椎動物が増え、群れの行動圏は13,409ヘクタールに広がりました。冬の行動圏は5,280ヘクタールで、採食場所が比較的限られていました。
研究者は、餌の得やすさが移動範囲や採食行動に関わると考えています。大きな鳥でも、食べ物の季節変化に合わせて日々の移動範囲を変える様子が見えます。この結果は半乾燥地の一群を追った記録で、他の地域の群れにも同じ面積が当てはまるわけではありません。季節をまたいだ追跡は、繁殖地だけを調べる調査では見えにくい土地利用の広がりも示してくれます。
IUCN Red List · Vulnerable (VU) · Global
IUCNレッドリストは、ミナミジサイチョウを2025年に世界全体の危急(VU)と評価し、個体数の減少を記録しています。広い行動圏を持つ地上性の鳥で、適した生息地の劣化などが評価上の課題です。リンポポ渓谷の追跡研究は、群れが季節によって使う土地の広さを示しました。保全では、繁殖場所の保護に加えて、餌を探すために群れが利用する周辺の土地も考えることが大切です。