インド洋や太平洋の沿岸にすむイルカです。浅い海で、主に魚などを捕らえて食べます。
背中は暗い灰色などで、腹側は淡い色です。腹の斑点の出方は、年齢や地域によって違います。
オーストラリアのシャーク湾では、ミナミハンドウイルカの一部が、かご形の海綿を口先にのせて海底を探り、周囲に紛れた魚を追い出して捕らえます。海綿は、口先が海底にこすれるのを防ぎます。
2025年の研究では、二種類の海綿の形をコンピューター上に再現し、イルカが出す音と魚から返る音の伝わり方を計算しました。一方の海綿では音の高さ、長さ、強さ、広がり方が大きく変わり、もう一方では変化が小さくなりました。海綿は魚を探す助けになりますが、音で周囲を探る仕組みにも影響します。研究者は、イルカが海綿ごとに異なる音の変化に合わせて脳の働きを調整すると考えました。そのため、道具を使う採餌法を覚えるには時間がかかり、母から子へ主に伝わる理由の一つかもしれないと論じています。
IUCNレッドリスト · 準絶滅危惧(NT) · 世界全体の種評価(Tursiops aduncus)
IUCNレッドリストの世界評価では、ミナミハンドウイルカは準絶滅危惧(NT)です。評価は2019年に行われ、個体数の傾向は不明とされています。沿岸開発、船舶、漁業、レジャー、病気、汚染などが脅威として挙げられています。南アフリカの2025年地域評価では、ナタールの個体群は危急(VU)、アグラスの個体群は準絶滅危惧(NT)で、地域個体数の傾向は減少です。