灰褐色の羽を持つ大型のガンです。ヨーロッパでは、植物の多い湿地や周囲の草地などで暮らします。
背中の羽には淡い縁取りがあり、おなかは白く見えます。頭と首も灰褐色で、くちばしは太くがっしりしています。
年越しの花火が上がる夜、ハイイロガンの体にも変化が起こっていました。オーストリアのアルム渓谷で暮らす群れでは、新年の午前0時から2時に、心拍数と体温が高くなりました。夜空の光や音がにぎやかな時間に、鳥の体の働きも大きく変わっていたのです。
2022年に公表された研究は、自由に飛び回るものの、人から餌をもらい、人の近い姿にも慣れた群れの20羽を対象としました。体内の記録機器で心拍数と体温を測り、年越しの時間帯を、前日や12月・1月の同じ時間帯と比べています。午前0時から1時の心拍数は、12月の同じ時間帯の平均より約96%高くなりました。
心拍数と体温では、変化の続き方も違いました。心拍数の上昇が見られたのは午前2時までで、体温の高まりはさらに数時間続きました。午前5時から6時になると、体温も比較したほかの期間と同程度に戻りました。花火の夜の影響は、その瞬間の反応だけでなく、夜明け前までの体の状態に表れていました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
ハイイロガンが夜を過ごす場所では、花火による強い刺激を避けることが保全上の課題になります。オーストリアの群れの記録をまとめた原著は、自然のある地域で花火を使わないことを推奨しています。人に慣れた鳥でも心拍数と体温が上がったことから、夜の休息場所の周りで音や光による刺激を減らす必要性が示されています。