家屋や農場のほか、畑などでも暮らす小さなネズミです。
毛色は明るい茶色から黒っぽい色まで変化します。長い尾は毛が少なく、表面に細かな輪状の模様があります。
農耕が始まる前、南レバントでは人の定住と移動が、動物の暮らす環境を変えていました。研究者は、南レバントの複数遺跡から見つかったネズミ属の臼歯を、約二十万年に及ぶ記録にわたって分類。アイン・マラッハ遺跡の約一万五千年前の初期ナトゥーフ期には、ハツカネズミの亜種 Mus musculus domesticus がネズミ属の記録を占めていたと報告されています。
家や食料を置く場所が長く使われると、餌と隠れ場所が集落に増え、家ネズミが人のそばで暮らす環境になったと研究者は解釈しました。利用が短くなった後の地層では、別種 Mus macedonicus が再び記録されています。人の定住と移動の変化は、農耕以前から集落にいるネズミの顔ぶれを変えていました。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(種レベル、2016年評価・2021年修正版)
IUCNの2021年修正版(元の評価は2016年9月11日)は、ハツカネズミを世界全体で低懸念(LC)、個体数傾向は安定としています。この評価は種全体の絶滅危険度で、持ち込まれた島の生態系への影響とは別の尺度です。ゴフ島では、2004年の繁殖期にハツカネズミがトリスタンアホウドリとアトランティックミズナギドリの雛を襲う様子が映像に記録され、研究者は低い繁殖成功への大きな寄与を報告しました。研究者の個体群モデルでは、この捕食水準が海鳥の個体数を減らし得ると推定されました。