クロサイは、細くとがった上唇で枝葉をつかむサイです。上唇はシロサイより細くなっています。
鼻の上には二本の角があります。皮膚は褐色がかった灰色で、シロサイと似た色です。
クロサイの体には、アカハシウシツツキという鳥がとまることがあります。この鳥が警戒の声を上げると、サイも頭を上げたり、立ち上がったりして周囲を警戒します。鳥の声が、大きな体の隣人に危険を知らせるきっかけになります。
南アフリカのシュシュルウェ・イムフォロジ公園では、二〇〇八~二〇〇九年、おとなのメス十一頭に人が近づく試験を計八十六回行いました。鳥がいた三十八回では、すべての接近にサイが気づき、気づいた距離は平均約六十一メートルでした。鳥がいない四十八回では、気づいたのは十一回で、その平均距離は約二十七メートルでした。
鳥の声を聞いた後の顔の向きにも、特徴がありました。鳥の声を聞いたサイは、風下を向くことがほとんどでした。著者らは、声が相手の近さを伝え、サイは自分の匂いが届く風下を警戒すると考えています。別の動物の声を聞き、自分の感覚と合わせて身を守る姿が見えてきます。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
IUCNの二〇二五年八月の報告では、二〇二四年末のクロサイは推定六千七百八十八頭でした。一方、翌年初めにはシュシュルウェ・イムフォロジ公園でも密猟によるクロサイの死亡が報告され、監視や密猟対策が続けられています。