記載されたメスは、頭から胸をおおう部分がくすんだオレンジ色で、白い毛があります。
腹部の背中側は灰色からクリーム色で、後方の外側に暗い模様があります。
Selenops oricuajoの名前の基準となったメスは、体長一〇・四五ミリ、腹部の長さ六・八五ミリでした。頭から胸を覆う部分は長さ三・六〇ミリ、幅三・八〇ミリで、前後より横に少し広い形をしています。腹部の末端には毛の束がありません。
このクモは、かつて別の種類のメスと考えられていた標本から、新しい名前を得ました。一九〇九年、コスタリカのオリクアホから得られたオスとメスが、Selenops bifurcatusとして発表されました。一九五三年の研究でも、そのオスとメスが描かれています。二〇一一年の研究は、この組み合わせを見直しました。
研究者が中央アメリカの複数の場所で集めたオスと別のメスは、実験室で交尾して子を残し、複数の遺伝子の配列も一致しました。これらがbifurcatusのオスとメスと確認される一方、昔からそのメスとされていた標本にはoricuajoという新しい名前が付けられました。本種のメスは、腹側の生殖器の中央に角ばった区画があり、内部の大きな管が二つに分かれる特徴を持っています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
二〇一一年の原著では、本種の分布記録は基準標本の採集地オリクアホに限られています。コスタリカの自然保護行政を担うSINACは、保護区の内外で生態系の働きを保つため、科学的な知識に基づく野生生物の管理を方針にしています。本種についても、採集地付近で生息を確かめ、標本の同定と環境の記録を合わせて残すことが、分布や必要な保全を把握する基礎になります。