グアテマラ西部のシエラ・マドレ山地にすむトガリネズミです。背中と尾は灰色で、雲霧林の厚い落ち葉やコケの中で記録されています。
背中の毛は明るい灰色で、腹側はそれよりわずかに淡い色です。尾は一様な濃い灰色です。
Sorex madrensisのメスは、七月に子へ乳を与えていることがあります。グアテマラのケツァルテナンゴでは、授乳中のメスが得られました。母親の体に残る繁殖の状態から、山地での子育ての一端が分かります。
二〇一七年の原著は、七月にこの地域で採集したメス八頭のうち、四頭が授乳中だったと報告しています。一方、一月にサカテペケスで得られたメス四頭では、繁殖の証拠は認められませんでした。月と場所を添えた記録によって、どの地域で、いつ子育てが確認されたのかをたどれます。
これらの動物は、以前はSorex veraepacisの仲間としてまとめられていました。研究者は頭骨やあごの形を詳しく比較し、シエラ・マドレ山地の集団を本種として区別しました。標本がどの種かを調べ直す作業によって、採集時に残された授乳の記録も、本種の暮らしを知る資料になりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種の基準標本が得られたカブリカンでは、森林を残すことが保全上の課題です。二〇一〇年にまとめられた自治体の開発計画は、木材や燃料のための伐採による森林への圧力を報告しています。本種のすむ山地林を守り、森の状態と生息状況を調べ続けることが大切です。