砂地に巣穴を掘り、主に夜に草を食べるウォンバットです。
鼻先は幅広く、細いひげに縁取られています。ヒメウォンバットより毛が柔らかく、耳が長くとがっています。
キタケバナウォンバットの巣穴前では、カメラに映る姿の大半が単独でした。クイーンズランド州リチャード・アンダーウッド自然保護区へ移された個体群で、巣穴の入口32か所をカメラで追った研究では、2016年12月から翌年5月までの6,607本の映像のうち、個体同士の社会的な行動は21本、全体の0.3%でした。鳴き声が記録されたのも、そのような対面時だけでした。
研究者は巣穴の入口での交流を避けている可能性を示しました。この割合が、個体同士の接触全体の少なさをそのまま表すわけではありません。調査場所は移送された一つの群れ、観察点は巣穴の入口です。それでも、姿が見えにくい動物の暮らしを、カメラ映像を一つずつ数えて明らかにした研究です。
オーストラリア環境保護・生物多様性保全法(EPBC法) · 絶滅危惧(Critically Endangered) · オーストラリア(国の法令上の指定)
キタケバナウォンバットは、オーストラリアのEPBC法で「絶滅危惧IA類(Critically Endangered)」に指定されています。豪州政府の行動計画は、野生個体群がクイーンズランド州のエッピングフォレスト国立公園とリチャード・アンダーウッド自然保護区の保護地に限られ、2021年に2地点合計約315頭と推定されたと記録しています。この数はその年の推定で、現在の個体数を示すものではありません。草地や巣穴の環境維持、外来のイヌ科動物や雑草の管理、火災や草食競合の抑制が保全の課題です。カメラ研究は保険個体群の観察で、種全体の個体数や状況を再評価したものではありません。