ベトナム南部とカンボジア北東部で記録されたトガリネズミです。原記載では背毛は暗灰色で腹側ほど淡く、複数の森林環境から標本が得られました。
標本では背側の毛が暗灰色で、腹側へ向かうにつれて淡くなります。尾は中程度に長く、付け根側に剛毛があり、足の甲は体より明るい色です。
このトガリネズミの下あごで、いちばん奥にある臼歯は、後ろ半分のつくりが単純です。後ろ側には一つの突起が残り、似た大きさのクロキドゥラ・インドシネンシスにある、複数の突起で囲まれたくぼみを欠きます。よく似た小動物でも、口の奥には違いがあります。
2010年の記載論文では、カンボジア産の本種と、ベトナム産の比較対象の歯を並べて示しています。大きさが近い二種を、尾や頭骨の比率とともに歯の形で区別しました。本種の記載に用いたのは四地点の十三頭で、1994年のマーダの標本も、2006年のヴィラチェイと2007年のベトナムの調査標本も含まれます。別々の年と場所に残された体や頭骨が、一つの種の特徴を明らかにしました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種の標本が得られたヴィラチェイ国立公園では、Fauna & Floraの2024年調査報告が、過去の伐採で森林が劣化したことを記しています。同報告では、2023年に隣接する生物多様性保全回廊が公園へ組み込まれ、保護する範囲が拡大したことも報告されています。