アジアの広い乾燥地に分布する大型のノガンです。北東アジアで繁殖する個体群は南へ渡り、南部には留鳥の個体群もいます。
フサエリショウノガン類の斑模様は、植物がまばらな砂漠でじっとすると周囲にまぎれます。
ウズベキスタンのサバクフサエリショウノガン三集団を衛星追跡で比べた研究では、平均渡り距離は東部1,184km、中央部1,030km、西部656kmでした。繁殖地は東西約640kmの範囲にあります。隣接する集団でも、越冬地までの距離や経路が異なることを示した記録です。
さらに東部由来の5羽を中央部と西部の繁殖地域へ移す実験を行いました。移送された鳥は、受け入れ地域の鳥が使う越冬地より南まで移動し、特に2年目の渡りで距離が長くなりました。飼育下で繁殖した個体と野生の親から生まれた個体の双方を含む追跡から、移動行動と出身地域の関係を調べています。三集団は越冬地の位置にも違いがあり、渡り先の地域差も比べられました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
繁殖地の補強や再導入で鳥を移す計画では、放す個体の出身地を考慮する必要があります。ウズベキスタンの実験では、東部由来の個体が中央部・西部の鳥より南まで渡りました。著者らは地域ごとに異なる移動行動を保つため、放鳥計画へ遺伝的・地理的由来を反映するよう提案しています。