ホンジュラスのシエラ・デ・セラケで知られる小型のトガリネズミです。記載論文の標本は標高1,430〜2,560mの3地点から得られました。
種の記載では、背面は黒からオリーブ黒で、毛の大部分は銀灰色、毛先は暗褐色です。腹面も暗い黒灰色で、幅広い前足と長く幅広い爪を持ちます。
セラケのトガリネズミが暮らす山には、別の種類のトガリネズミもすんでいます。国立公園の案内所近くの川辺は、本種とCryptotis merriami、Cryptotis orophilusがそろって得られた場所です。
二〇一二年の現地報告によると、標高千四百三十メートルの川沿いで、一九九二年十月十二日に一種のメスが落とし穴式のわなに入りました。二日後には、本種とCryptotis merriamiのメスも同じ付近で捕まりました。小さな動物の調査を数日重ねることで、一か所にいる仲間の顔ぶれが増えたのです。
当時、本種の標本には別の種の学名が使われていました。二〇一五年に頭骨や手足の骨などを比べた研究で、セラケの集団は独立した種として記載されました。標本を残すことは、過去の川辺の記録を、新しく分かった動物の種類に結び直す役にも立っています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種の保全には、記録のあるセラケの湿った山地林を残すことが重要です。二〇一六年の国立公園管理計画は、雲霧林への農地・牧草地の拡大や焼き払いを課題に挙げました。計画には自然の保護を優先する区域の回復や、調査・監視も盛り込まれています。こうした森林の保全とともに、本種がすむ場所を継続して確かめることが必要です。